はじめまして,デンソーアイティーラボラトリの欅と申します.学会運営アドベントカレンダーの第一弾としてお話させて頂きます.第一弾なので個別の会議や委員の仕事の進め方ではなく学会運営の大枠の話をしておりますが,私の限られた経験に基づいてお話するため,分野内外の方からさまざまなツッコミがあるかと存じますので,適宜補足・訂正頂ければ幸いです.
私の職歴を紹介しておくと,2014-2019 年までの 5 年間東京工業大学で助教として勤務し,今年の 4 月から現職に転職いたしました.助教時代にはそれなりに,現在はセーブしつつ学会運営に携わらせて頂いているので,今回の企画で話させて頂くのもよい機会かなと思いました.
私がこれまでに参加してきたコミュニティは,データベース,情報検索,自然言語処理です.学会の運営は国内会議も国際会議も大きくは変わらないと思っていて,運営委員の仕事は大きく分けるとプログラム委員とローカル委員に分かれると思っています.プログラム委員の仕事は論文の査読と採否論文の決定が中心であり,ローカル委員の仕事はそれ以外の準備全般です (異論・反論はいろいろありそう).以降の話は主にローカル委員に限定してお話したいと思います.
コミュニティごとにそれぞれ特性が違うものの,それを書くと怒られイベントが生じるかもしれないので,あえて書かないことにします.
学生スタッフ委員の進め方や Tips に興味があれば以前書いたこの記事をご覧ください (本当ならこれのリンクしてアドベントカレンダー完成!でよかったかもしれない)
これについては同意を頂ける方も多くいらっしゃるのではないかと思っていますが,学会委員を引き受けるかどうかは,誰と一緒に働くかで決めるのが一番よいと思っています.より具体的には,一緒に働く人とのコミュニケーションコストが低い場合 (仕事・連絡が早い,物理的にすぐ話せる) や,この人のお願いならどんなに無茶振りでも耐えられるという場合であれば引き受けてもよいのではないでしょうか.逆に,ボールを持っている人・意思決定者がなかなか返信しない,上の人が些細なことにまで口出ししてくる・ちゃぶ台をひっくり返す場合には,なるべく角が立たないように断るのが吉です.他の委員の人となりが分からない場合はまとも (だと自分が思う人) に聞きましょう.きっと価値観は近いはず.ただし,依頼を断れない・断りづらい場合もあるので,我慢するか (コミュニティから) 出ていくかしましょう.
※ あくまでも一般論であり,欅の経験談を書いているというわけではありません.
学会運営委員をやらないと業界から干されるという話を聞いたことがありますが,これについては真偽不明です.少なくとも私は見たことがありません (生存バイアス?).
是非ともご協力させて頂きたいのですが,○○月まで○○で多忙なスケジュールになっているため,担当させて頂くことでかえって皆様にご迷惑をおかけしてしまうのではないかを懸念しております.また別の機会に是非ご一緒させて頂ければ幸いに存じます.
是非ともご協力させて頂きたいのですが,○○月まで○○で多忙なスケジュールになっているため,担当させて頂くことでかえって皆様にご迷惑をおかけしてしまうのではないかを懸念しております.また別の機会に是非ご一緒させて頂ければ幸いに存じます.話は変わりますが,以前○○先生と○○学会で委員をご一緒させて頂いたときに,迅速に仕事を進められていて,大変感銘を受けました.適任が見つかることをお祈りしております!
オレ ケンキュウ スル
イイン ヤラナイ
ローカルとしての最初の仕事は会場決めです.規模が大きい会議だと本部 (とは) に事前に計画書を提出するので,実行委員長・ローカル委員長・プログラム委員長辺りの相談で決まっているかもしれません.ここでは,自分も会場決めに参加する場合にどういう観点で探すのがよいのか考えてみます.
もし会議運営に業者を入れているのであれば上記の条件に適切なホテルを推薦してくれる (ことになっています).例外はいくらでもあると思いますがあくまでも傾向について述べます.
開催施設に関わらず,体感的には 300 人を超えるとプレナリ会場探しの難易度が急に上がる印象です.
個人のしかも感覚的な意見ですが,ある一定数よりも参加者が多い懇親会は知らない人と話すよりももともとの知り合い同士で話すことが増える印象で,費用対効果について慎重に考えた方がよいのではないかと思っています.
他に書くことが思いつかないので,唐突ですが,委員長にこうして欲しいということを述べたいと思います.
ビジョンを示すとは,今回の会議はこういう新しい試みをしたいとか,こういうことに力を入れるとか,各委員の行動方針の道標になるものだと思っています.例えば私にとって最も思い出深い学会である SIGIR 2017 のビジョンは「参加者をもてなしたい!日本を満喫して欲しい!!」だったと思っていて,その点で一貫性があり仕事しやすかったと思っています (仕事の分量は多かったけど素晴らしいメンバーで楽しかったです).もしくは,学生の参加費を徹底的に安くする (SIGIR 2020 の方針) や,何なら徹底的に省エネでやろうとかでもよいと思います.
決断しにくいことはいくらでもあると思いますが,時間切れになるまで決断を先送りにして事態が好転することはあるだろうか? (いや,ない)
やはり委員も人間なのでこれがあるとないとでは全然違う気がします.
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コミュニティに対しての貢献の方法として,単に運営委員として働くだけではなく,スポンサーという選択肢があります.また,企業に転職してからは,自分でこの委員を引き受けることで会社に何かメリットがあるのか? という観点を備わりました.つまり,依頼を断ることに抵抗がなくなりました.逆説的に,助教時代は相手との人間関係で依頼を受けてたり,そもそも自分が委員をやるメリットが大学にあるのか考えたことがありませんでした.何かあるんですかね...?
このエントリーでは学会委員を引き受ける基準や会場決めの検討項目について紹介しました!
keihigu さんからは「特定個人への攻撃はなし」と言われましたが,個人どころか何も批判せずに書きました!
偉い!!!!
よかったら皆さんも学会委員やってみてくださいね!
ここまで読んで頂きありがとうございました!